flex-basis:フレックス・アイテムの基準となる寸法を指定する

初期値 auto
適用対象 フレックス・ボックス・レイアウトのフローに属するフレックス・アイテム
継承 しない
アニメーション <length>値、<percentage>値、calc();
対応ブラウザ caniuseで確認

flex-basisプロパティの説明

CSSのflex-basisプロパティは、フレックス・アイテムの基準となる寸法を指定します。既定ではコンテンツ・ボックスの寸法です。要素全体を対象にするには、box-sizingで余白と境界線の扱いを変更します。

この機能は、displayの値にflexを指定されたコンテナの中で有効になります。通常は、flex-growflex-shrinkを併用し、一括指定する場合はショートハンド・プロパティのflexを使用します。

これらの機能の関係性を把握したい方は、フレックス・ボックスの解説を参照して下さい。

flex-basisに指定できる値

<'width'>
アイテムの寸法を表す値です。絶対的な寸法を表す場合は<length>値、コンテナの主軸方向の寸法に対する割合を表す場合は<percentage>値を指定します。初期値はautoです。
auto
自身のwidthまたはheightプロパティを参照します。
content
アイテムに含まれるコンテンツの寸法に基づいて自動的に計算が行われます。
max-content
コンテンツが持つ寸法の最大値となります。文章であれば、一行の長さが基準となります。
min-content
コンテンツが持つ寸法を可能な限り小さくします。文章であれば、最大の文字数を持つ単語が基準となります。
fit-content
ビューポートの利用可能領域に応じて、max-contentmim-contentを使い分けます。

flex-basisの使い方とサンプルコード

flex-basisプロパティの構文は以下の通りです。


/* <length>値 */
flex-basis: 100px;
flex-basis: 30rem;

/* <percentage>値 */
flex-basis: 20%;
flex-basis: 35%;

/* キーワード */
flex-basis: content;
flex-basis: max-content;
flex-basis: min-content;
flex-basis: fit-content;
flex-basis: fill;

/* グローバル値 */
flex-basis: inherit;
flex-basis: initial;
flex-basis: revert;
flex-basis: unset;

flex-basisの実例

それでは実際にflex-basisプロパティの書き方を見ていきましょう。以下の例では、flex-growflex-shrinkの値が1のアイテムを並べて、flex-basisの値を変更した場合の挙動を確認できます。

resizeに対応しているブラウザであれば、コンテナのサイズを変更できます。コンテナの右下に表示されるハンドルを掴んで、横幅を伸縮させてみて下さい。


<div class="flex_box">
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
</div>

<div class="flex_box">
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_150px">150px</div>
</div>

<div class="flex_box">
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_50per">50%</div>
</div>

.flex_box {
	overflow: auto;
	display: flex;
	gap: 1rem;
	margin-top: 1rem;
	padding: 1rem;
	background: #eee;
	resize: horizontal;
}
.flex_item {
	width: 100px;
	padding: .3rem;
	background: #09f;
	color: #fff;
	flex-grow: 1;
	flex-shrink: 1;
}
.fb_auto {
	flex-basis: auto;
}
.fb_150px {
	flex-basis: 150px;
}
.fb_50per {
	flex-basis: 50%;
}

アイテムの幅はflex-basisで指定された寸法を基準にして伸縮します。つまり、画面に表示される時点で必ずしもそのサイズにはならないという点に注意して下さい。アイテムは、コンテナの寸法と他のアイテムと並んだ時の余白に応じて最終的な寸法を定めます。もし寸法を固定するのであれば、伸縮しないようにflex-growまたはflex-shrinkの値を0にします。

コンテンツの寸法に合わせる

次の例は、内因性の優先幅を指定した時の挙動です。例えば、flex-wrapの値をwrapにした時、アイテムを折り返すのか内容を折り返すのかを制御できます。

上の段のコンテナは、テキストを折り返さずにアイテムの折り返しを優先します。逆に下の段のコンテナは、アイテムを折り返さずにテキストの折り返しを優先させます。


<div class="flex_box">
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_maxcon">This item have flex-basis: max-content;</div>
</div>

<div class="flex_box">
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_auto">auto</div>
	<div class="flex_item fb_mincon">This item have flex-basis: min-content;</div>
</div>

.flex_box {
	overflow: auto;
	display: flex;
	flex-wrap: wrap;
	gap: 1rem;
	margin-top: 1rem;
	padding: 1rem;
	background: #eee;
	resize: horizontal;
}
.flex_item {
	padding: .3rem;
	background: #09f;
	color: #fff;
	flex-grow: 1;
	flex-shrink: 1;
}
.fb_auto {
	flex-basis: auto;
}
.fb_maxcon {
	flex-basis: max-content;
}
.fb_mincon {
	flex-basis: min-content;
}

flex-basisに関連するCSSプロパティ

段組み・カラムレイアウト
align-content コンテナの交差軸または列方向に余白がある場合にアイテムの並べ方を指定する
align-items コンテナに含まれる全てのアイテムに対して揃える位置を指定する
align-self コンテナに含まれるアイテムの位置揃えを個別に指定する
columns 段組み要素に関するプロパティを一括で指定する
column-count 段組み要素の内容を分割する数を指定する
column-fill 段組み要素の高さに対して内容をどのように分配するかを指定する
column-gap コンテナに配置されたアイテム同士の列方向の隙間を指定する
column-rule 段組み要素の罫線のスタイルを一括で指定する
column-rule-color 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の色を指定する
column-rule-style 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の形状を指定する
column-rule-width 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の太さを指定する
column-span 段組み要素の中で全ての段にまたがるレイアウトを指定する
column-width 段組み要素の段に対して目安の幅を指定する
flex フレックス・アイテムの伸縮率や基準となる寸法を一括で指定する
flex-basis フレックス・アイテムの基準となる寸法を指定する
flex-direction フレックス・コンテナの主軸方向やアイテムの並び方向を指定する
flex-flow フレックス・コンテナがアイテムをレイアウトするフローをまとめて指定する
flex-grow フレックス・アイテムが伸長する倍率を指定する
flex-shrink フレックス・アイテムが収縮する倍率を指定する
flex-wrap フレックス・コンテナに入り切らないアイテムの折り返し方法を指定する
gap コンテナに含まれるアイテム同士の隙間を指定する
grid-area グリッド・アイテムの配置に関する基準を一括で指定する
grid-auto-columns 暗黙的に作成されたグリッド列のサイズを指定する
grid-auto-flow グリッド・アイテムがトラックに配置される方法を指定する
grid-auto-rows 暗黙的に作成されたグリッド行のサイズを指定する
grid-column-end グリッド・アイテムの配置に関して列方向の終了位置を指定する
grid-column-start グリッド・アイテムの配置に関して列方向の開始位置を指定する
grid-column グリッド・アイテムの配置に関して列方向の位置や寸法を一括で指定する
grid-row-end グリッド・アイテムの配置に関して行方向の終了位置を指定する
grid-row-start グリッド・アイテムの配置に関して行方向の開始位置を指定する
grid-row グリッド・アイテムの配置に関して行方向の位置や寸法を一括で指定する
grid-template-areas グリッド・コンテナの中に名前つきのグリッド・エリアを作成する
grid-template-columns 明示的な列方向のグリッド・トラックを定義する
grid-template-rows 明示的な行方向のグリッド・トラックを定義する
grid-template グリッド・レイアウトのテンプレートに関する指定をまとめて行う
grid グリッド・レイアウトに関するコンテナのプロパティを一括で指定する
justify-content コンテナの主軸または行方向に余白がある場合にアイテムの並べ方を指定する
order フレックスやグリッドのコンテナに並ぶアイテムの順序を指定する
orphans ページや段組みカラムの最下部に表示されるブロックの最小行数を制御する
row-gap コンテナに配置されたアイテム同士の行方向の隙間を指定する