grid-template-areas:グリッド・コンテナの中に名前つきのグリッド・エリアを作成する

初期値 none
適用対象 グリッド・コンテナ
継承 しない
アニメーション 離散値
対応ブラウザ caniuseで確認

grid-template-areasプロパティの説明

CSSのgrid-template-areasプロパティは、グリッド・レイアウトにおいてコンテナの中に名前つきのグリッド・エリアを作成します。これにより、グリッド・アイテムを配置する祭に固有の名称を指定できるようになります。

このプロパティを取り扱う場合、英語の綴りに気をつけて下さい。複数のエリアを作成するものなので、プロパティ名を表す単語が複数形のareasになっています。

アイテムの配置は以下のプロパティで行います。

grid-template-areasに指定できる値

none
名前付きのエリアを作成しません。これが初期値です。
<string>
任意の文字列で名前付きのエリアを作成します。この値は半角スペース区切りのリスト形式で、二重引用符で囲います。それを必用な行数並べてグリッドの分割を定義します。全てのエリアが均等に分割された格子状のエリアの他に、複数のエリアをまたぐ特別なエリアを作成できます。最終的に全てのエリアの合計が四角形を形成しない限り、宣言は無効となります。

grid-template-areasの使い方とサンプルコード

grid-template-areasプロパティの構文は以下の通りです。


/* キーワード値 */
grid-template-areas: none;

/* <string>値 */
grid-template-areas: "a b c";
grid-template-areas: "one two three"
					 "four five six";

/* グローバル値 */
grid-template-areas: inherit;
grid-template-areas: initial;
grid-template-areas: revert;
grid-template-areas: unset;

grid-template-areasの実例

それでは実際にgrid-template-areasプロパティの書き方を見ていきましょう。最初の例は、行と列を3つに分割した合計9つのエリアを持つコンテナです。そこにアイテムを同じ数だけ配置しますが、名前付きのエリア指定を使って順不同に並べ替えます。


<div class="grid_box">
	<div id="item_d">1</div>
	<div id="item_b">2</div>
	<div id="item_c">3</div>
	<div id="item_a">4</div>
	<div id="item_i">5</div>
	<div id="item_h">6</div>
	<div id="item_f">7</div>
	<div id="item_g">8</div>
	<div id="item_e">9</div>
</div>

.grid_box {
	overflow: auto;
	padding: 1rem;
	background: #eee;
	text-align: center;
	resize: horizontal;
	display: grid;
	grid-template-areas: "a b c"
						 "d e f"
						 "g h i";
	grid-template-columns: 1fr 1fr 1fr;
	grid-template-rows: 1fr 1fr 1fr;
	gap: 10px;
}
.grid_box > div {
	padding: .3rem;
	border: 1px solid #666;
	background: #09f;
}
#item_a {
	grid-area: a;
	background-color: #ff7f7f;
}
#item_b {
	grid-area: b;
	background-color: #ffcc7f;
}
#item_c {
	grid-area: c;
	background-color: #e5ff7f;
}
#item_d {
	grid-area: d;
	background-color: #99ff7f;
}
#item_e {
	grid-area: e;
	background-color: #7fffb2;
}
#item_f {
	grid-area: f;
	background-color: #7fffff;
}
#item_g {
	grid-area: g;
	background-color: #7fb2ff;
}
#item_h {
	grid-area: h;
	background-color: #997fff;
}
#item_i {
	grid-area: i;
	background-color: #e57fff;
}

HTML上では要素の内容を1から順に並べていますが、grid-areaによるエリア指定で配置位置を入れ替えています。このように文書の流れとレイアウトを切り離せる点が、グリッド・レイアウトの強みです。

次の例は、マルチカラムのレイアウトをグリッドで実現する内容です。ここでは、エリアの名前をより分かりやすくすると共に、アイテムの配置指定を明確にしています。少し冗長なマークアップが含まれていますが、これは各プロパティがどのような役目を果たしているのかを理解するためです。実際に運用する祭は、ショートハンド・プロパティを活用するなどして、省略できる場所を見つけていきましょう。


<div class="grid_box">
	<div id="item_header">header</div>
	<div id="item_main">main</div>
	<div id="item_nav">nav</div>
	<div id="item_footer">footer</div>
</div>

.grid_box {
	overflow: auto;
	padding: 1rem;
	background: #eee;
	text-align: center;
	resize: horizontal;
	display: grid;
	grid-template-areas: "header header"
						 "main nav"
						 "footer footer";
	grid-template-rows: 50px 1fr 50px;
	grid-template-columns: 1fr 150px;
	gap: 10px;
}
.grid_box > div {
	padding: .3rem;
	border: 1px solid #666;
	background: #09f;
	color: #fff;
}
#item_header {
	grid-row-start: header;
	grid-row-end: header;
	grid-column-start: header;
	grid-column-end: header;
	background-color: #f60;
}
#item_main {
	grid-row-start: main;
	grid-row-end: main;
	grid-column-start: main;
	grid-column-end: main;
	background-color: #fc0;
	min-height: 150px;
}
#item_nav {
	grid-row-start: nav;
	grid-row-end: nav;
	grid-column-start: nav;
	grid-column-end: nav;
	background-color: #6f0;
	min-height: 100px;
}
#item_footer {
	grid-row-start: footer;
	grid-row-end: footer;
	grid-column-start: footer;
	grid-column-end: footer;
	background-color: #09f;
}

grid-template-areasに関連するCSSプロパティ

段組み・カラムレイアウト
align-content コンテナの交差軸または列方向に余白がある場合にアイテムの並べ方を指定する
align-items コンテナに含まれる全てのアイテムに対して揃える位置を指定する
align-self コンテナに含まれるアイテムの位置揃えを個別に指定する
columns 段組み要素に関するプロパティを一括で指定する
column-count 段組み要素の内容を分割する数を指定する
column-fill 段組み要素の高さに対して内容をどのように分配するかを指定する
column-gap コンテナに配置されたアイテム同士の列方向の隙間を指定する
column-rule 段組み要素の罫線のスタイルを一括で指定する
column-rule-color 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の色を指定する
column-rule-style 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の形状を指定する
column-rule-width 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の太さを指定する
column-span 段組み要素の中で全ての段にまたがるレイアウトを指定する
column-width 段組み要素の段に対して目安の幅を指定する
flex フレックス・アイテムの伸縮率や基準となる寸法を一括で指定する
flex-basis フレックス・アイテムの基準となる寸法を指定する
flex-direction フレックス・コンテナの主軸方向やアイテムの並び方向を指定する
flex-flow フレックス・コンテナがアイテムをレイアウトするフローをまとめて指定する
flex-grow フレックス・アイテムが伸長する倍率を指定する
flex-shrink フレックス・アイテムが収縮する倍率を指定する
flex-wrap フレックス・コンテナに入り切らないアイテムの折り返し方法を指定する
gap コンテナに含まれるアイテム同士の隙間を指定する
grid-area グリッド・アイテムの配置に関する基準を一括で指定する
grid-auto-columns 暗黙的に作成されたグリッド列のサイズを指定する
grid-auto-flow グリッド・アイテムがトラックに配置される方法を指定する
grid-auto-rows 暗黙的に作成されたグリッド行のサイズを指定する
grid-column-end グリッド・アイテムの配置に関して列方向の終了位置を指定する
grid-column-start グリッド・アイテムの配置に関して列方向の開始位置を指定する
grid-column グリッド・アイテムの配置に関して列方向の位置や寸法を一括で指定する
grid-row-end グリッド・アイテムの配置に関して行方向の終了位置を指定する
grid-row-start グリッド・アイテムの配置に関して行方向の開始位置を指定する
grid-row グリッド・アイテムの配置に関して行方向の位置や寸法を一括で指定する
grid-template-areas グリッド・コンテナの中に名前つきのグリッド・エリアを作成する
grid-template-columns 明示的な列方向のグリッド・トラックを定義する
grid-template-rows 明示的な行方向のグリッド・トラックを定義する
grid-template グリッド・レイアウトのテンプレートに関する指定をまとめて行う
grid グリッド・レイアウトに関するコンテナのプロパティを一括で指定する
justify-content コンテナの主軸または行方向に余白がある場合にアイテムの並べ方を指定する
order フレックスやグリッドのコンテナに並ぶアイテムの順序を指定する
orphans ページや段組みカラムの最下部に表示されるブロックの最小行数を制御する
row-gap コンテナに配置されたアイテム同士の行方向の隙間を指定する