<i>:文章の中で慣用句や特定の用語を表す要素・HTMLタグの解説

取り扱い 標準仕様
カテゴリー フロー・コンテンツ
フレージング・コンテンツ
パルパブル・コンテンツ
親にできる要素 フレージング・コンテンツを受け入れる要素
子にできる要素 フレージング・コンテンツ
対応ブラウザ caniuseで確認

<i>タグの解説

<i>は、慣用句や特定の用語など前後の言葉とは区別したい箇所に使用します。例えば、技術的な専門用語、学術的な言葉、あるいは誰かが言ったことわざや慣用句などです。

かつて、このタグは文字の見た目をイタリック(斜体)にするために用いられていました。視覚的な効果が先にあり、後から文脈上の意味が追加されたのです。主要なブラウザでは、装飾の初期値にイタリック(斜体)が適用されますが、これを目的に使用するのは避けて下さい。

特定の用語を示すタグは他にもあります。強調を表すには<em>を、重要性を表すには<strong>を使用します。何らかの定義語を表すには<dfn>の方が適しています。特別な意味を持っている言葉に対しては、適切な要素を使い分けましょう。

<i>タグの特徴

  • レイアウトの初期値はインラインです。文章の改行には影響を与えません。
  • 視覚的な効果としてイタリック(斜体)が適応されます。変更したい場合はスタイルシートで調整して下さい。
  • 同一のページ内に複数使うことができます。ただし、この要素自体を入れ子にすることはできません。

<i>要素に指定できる属性

グローバル属性
全てのHTML要素に指定できる共通の属性です。詳細は一覧表で解説します。
イベントハンドラ
全てのHTML要素に指定できるコンテンツ属性です。

<i>要素の使い方とサンプルコード

この要素の最も基本的な書き方は以下の通りです。文章の中で前後の言葉とは区別したい箇所に適用します。


text <i>idioms</i> text

動物などの一般的な名詞と学名を併記する箇所では、以下のように記述します。これは多くの辞典サイトで採用されている書き方です。


チーター(<i>Acinonyx jubatus</i>)が草むらで休んでいる。

指定した範囲の言葉が特定の言語で書かれている場合、lang属性を使ってそれを表すことができます。


<p>
私の好きなラテン語のことわざに “<i lang="la">Verba volant, scripta manent</i>” というものがあります。
</p>

文章の中で前後の文脈とはムードを分けたい箇所にも適用できます。書かれている内容の種別を書き残しておきたい場合は、class属性を活用して下さい。


<p> 私は彼が本当のことを言っていると信じたい――<i class="monologue">本当にそうだろうか?</i></p>

<i>に関連するHTMLタグ

文字列に意味を与える要素
<h1> 〜 <h6> 文書やセクションの見出しを表す
<p> 文章の段落を指定する
<abbr> 略語であることを表す
<address> 連絡先(問い合わせ先)として扱う
<blockquote> 複数行に渡る比較的長い引用分を表す
<cite> 出典先や参照先の題名を表す
<code> プログラムやスクリプトの断片を表す
<data> 文字列に機械的な識別情報を与える
<del> 文書の中で編集によって削除された範囲を表す
<dfn> 定義用語として扱う
<em> 意味を強調する
<hgroup> 見出しに付随する副題やキャッチフレーズをグループ化する
<hr> 段落に区切りを与えて水平線(罫線)を引く
<i> 文章の中で慣用句や特定の用語を表す
<ins> 文章が編集されて新たに追加された部分を表す
<kbd> キーボード入力される文字であることを示す
<q> 行に収まる程度の短い引用を表す
<s> 正確ではなくなった内容であることを表す
<samp> プログラムによる出力結果のサンプルとして扱う
<small> 細則のような付帯注釈を表す
<strong> 重要な情報として扱う
<time> 時刻や日付を正確に表す
<u> 非言語的な注釈があることを示して下線(アンダーライン)を引く
<var> 変数や引数として扱う