<abbr>:略語であることを表す要素・HTMLタグの解説

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<abbr>タグの解説

<abbr>は、指定した範囲の文字列が略語である事を表します。「abbr」という名称自体が、英語で略語を表す「abbreviation」を短縮したものとなっています。

該当する略語が表す正規の文字列をtitle属性の値として追記することが可能です。そこに書かれた文字列は、ブラウザに直接表示されるわけではありませんが、マウスカーソルを合わせるとツールチップとして表示されます。

対象となるパターンは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)やHTML(Hypertext Markup Language)などです。かつて略語の文字列が全て頭字語構成されたもの、例えばBBS(Bulletin Board System)やBCC(Blind Carbon Copy)などの場合は、<acronym>で指定するとされていましたが、現在は廃止されて<abbr>に統合されました。

<abbr>タグの特徴

  • レイアウトの初期値はインラインです。文章の改行には影響を与えません。
  • 視覚的な効果は特に与えられませんが、title属性を設定した場合に文字列の下部に破線が引かれます。
  • 同一のページ内に複数使うことができます。ただし、この要素自体を入れ子にすることはできません。

<abbr>要素に指定できる属性

title
任意で略語の元となる文字列を追記できます。対応しているブラウザでは、マウスオーバーしたときにツールチップを表示します。
グローバル属性
全てのHTML要素に指定できる共通の属性です。詳細は一覧表で解説します。
イベントハンドラ
全てのHTML要素に指定できるコンテンツ属性です。

<abbr>要素の使い方とサンプルコード

この要素の最も基本的な書き方は以下の通りです。title属性を使用しない場合、文章の最初に出てくる略語には、完全な文字列を提供することが望ましいと言えます。


<p>
	<abbr>HTML</abbr>(HyperText Markup Language)は、ウェブブラウザで閲覧可能なドキュメントを作成するためのマークアップ言語です。
</p>

title属性を使用する場合は、略語の完全形を要素に内包できます。対応しているブラウザでは、title属性が付与された場合、<abbr>で囲われた文字列の下部に破線が引かれ、マウスオーバーするとツールチップで完全形が表示されます。


<p>
	<abbr title="Hypertext Markup Language">HTML</abbr>は、ウェブブラウザで閲覧可能なドキュメントを作成するためのマークアップ言語です。
</p>

<dfn>との組み合わせ

<abbr>を指定した略語が、文書の中で何らかの定義語であった場合、<dfn>との組み合わせが考えられます。例えば、特定の業界やコンテンツの中で流通している単語を紹介する場合、それが固有の意味を持つ略語であることを表すために、以下のように記述します。


このゲーム内では
<dfn><abbr title="Hit points">HP</abbr></dfn>は体力
<dfn><abbr title="Magic points">MP</abbr></dfn>は魔力
を表します。

<abbr>に関連するHTMLタグ

文字列に意味を与える要素
<h1> 〜 <h6> 文書やセクションの見出しを表す
<p> 文章の段落を指定する
<abbr> 略語であることを表す
<address> 連絡先(問い合わせ先)として扱う
<blockquote> 複数行に渡る比較的長い引用分を表す
<cite> 出典先や参照先の題名を表す
<code> プログラムやスクリプトの断片を表す
<data> 文字列に機械的な識別情報を与える
<del> 文書の中で編集によって削除された範囲を表す
<dfn> 定義用語として扱う
<em> 意味を強調する
<hgroup> 見出しに付随する副題やキャッチフレーズをグループ化する
<hr> 段落に区切りを与えて水平線(罫線)を引く
<i> 文章の中で慣用句や特定の用語を表す
<ins> 文章が編集されて新たに追加された部分を表す
<kbd> キーボード入力される文字であることを示す
<q> 行に収まる程度の短い引用を表す
<s> 正確ではなくなった内容であることを表す
<samp> プログラムによる出力結果のサンプルとして扱う
<small> 細則のような付帯注釈を表す
<strong> 重要な情報として扱う
<time> 時刻や日付を正確に表す
<u> 非言語的な注釈があることを示して下線(アンダーライン)を引く
<var> 変数や引数として扱う