<em>タグの解説
<em>
は、文章の中で文字列を強調させたい箇所に使用します。周囲の文字列と比較して強調されるべき言葉に適用するもので、通常ひとつの段落にひとつ程度が望ましいとされます。
「em」という名称は、英語の「Emphasis」の略語です。ここで言う「強調」とは、主張や力説のニュアンスを含みます。似たような効果を持つ要素に<strong>
がありますが、こちらは重要性、重大性、緊急性が高い文字列に適しています。
意味の強調は、コンピューター側の解釈にも影響を与えます。ドキュメントに書かれた文章の中で、著者や話者が主張したい箇所、力説している部分に、<em>
は適用できると言えます。
<em>
は入れ子にすることで、段階に応じて強調の度合いを高めることができます。より強い強調を表す場合は、<strong>
との併用を検討して下さい。
<em>タグの特徴
- レイアウトの初期値はインラインです。文章の改行には影響を与えません。
- 視覚的な効果として斜体文字(イタリック体)が適応されます。変更したい場合はスタイルシートで調整して下さい。
- 同一のページ内に複数使うことができます。この要素を入れ子にすると、段階に応じて強調の度合いを高めることができます。
<em>要素に指定できる属性
- グローバル属性
- 全てのHTML要素に指定できる共通の属性です。詳細は一覧表で解説します。
- イベントハンドラ
- 全てのHTML要素に指定できるコンテンツ属性です。
<em>要素の使い方とサンプルコード
この要素の最も基本的な書き方は以下の通りです。一つの段落やコンテキストの中で強調したい箇所の範囲を示します。
<em>強調する文字</em>
<em>
を配置する頻度は、一つの段落につき一つ程度が相応しいと言えます。段落に書かれた文字列の中で強調したいフレーズや単語に適用するからです。しかし、明確に意図があって使う場合は、その個数に制限はありません。
<section>
<h2>セクションの見出し</h2>
<p><em>強調したい単語</em>。セクションの内容を表す段落。</p>
<p>セクションの中で<em>強調したいフレーズ</em>について説明している段落。</p>
</section>
強調する箇所によって文章のニュアンスを変える
<em>
は強調する箇所によって文章の意味合いに影響を与えます。例えば、次の英文があったとして強調する単語を変化させていくと、どのようなニュアンスを与えることになるでしょうか。
<p>I love HTML and CSS!</p>
この文章が登場する前に、誰かがHTMLやCSSを非難する場面があったとして、それを否定する個人の立場を強調する場合は主語を囲います。
<p><em>I</em> love HTML and CSS!</p>
代わりに、自分がHTMLやCSSのことを嫌っていると誤解されている場面では、その感情を否定するために動詞を強調します。
<p>I <em>love</em> HTML and CSS!</p>
他にも、技術的な会話でスクリプトについて語っている最中に、自分の好みを強調するのであれば名詞を囲います。
<p>I love <em>HTML and CSS</em>!</p>
そして、誰かの発言に対して返す言葉全体を強調したり、声を上げて主張したいフレーズの場合は、文章全体を囲うことでニュアンスを表現します。
<p><em>I love HTML and CSS!</em></p>
強調の度合いを入れ子によって表現する
<em>
要素を入れ子にすると強調の度合いを段階的に強めることができます。文書の中で特に主張したい箇所や、読者の注意を引くために力説している箇所があれば、文脈的に認められる範囲で指定できます。
<p>この段落には、<em>強調したい箇所があり<em>特に強調を強くしたい箇所</em>があります</em>。このように強調の段階を入れ子で調整できます。</p>
<strong>と使い分ける、または併用する
<em>
は強調を表しますが、<strong>
は重要性や重大性を表します。マークアップを工夫すれば、そのフレーズに埋め込まれたニュアンスまで表現できます。
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