ヴィレッジヴァンガードの決算書から分かる「ニューメディア」の現実

VillageVanguard ロゴ

先日、ヴィレッジヴァンガード(Village Vanguard)が上方修正を発表したというニュースがあったので、せっかくだからと決算資料を見てみることにしました。

ヴィレッジヴァンガードと言えば、昔は下北の怪しい雑貨屋(いい意味で)というイメージだったのですが、今では全国に300店舗以上構える立派な上場企業になっているんですね。

さて、今回決算資料を眺めているとある点に気が付いたので、過去の数値を集計してみることに。すると、世間で言われていることが、こんな所にも現れているんだなという結果になりました。

ひとことで言うと「ニューメディア売れねぇ」ってことです。

やっぱりここでも売れない「ニューメディア」

ヴィレッジヴァンガード商品ジャンル

ヴィレッジヴァンガードの決算説明資料には、「商品ジャンル別売上高構成」という項目があるのですが、売り上げの内訳が、「SPICE(雑貨全般)」「書籍」「ニューメディア(CDやDVD)」「その他」の四つに分けられていて、それぞれ比較できるようになっています。この数値を2006年から、過去7年間分集計した表が以下になります。

ヴィレッジヴァンガード売上高集計

※比率の多い「SPICE」は左軸、「書籍」「ニューメディア」「その他」は右軸の数値

上の集計結果を見ると、店舗数の増加に伴い、売上高は右肩上がりに推移しています。一店舗あたりの平均売上高も概ね安定しているようです。今のところ店舗を増やせば、その分売上高も増えるという構図になっています(※12年減速ぎみ)。

次に、内訳を見てみると、売上高のうち7~8割が雑貨などの「SPICE」で構成されていることが分かります。こちらは売上高に比例して、順調に前年を上回る数値を記録しています。

一方、書籍、ニューメディアの数値は、2009年を境に前年比での伸びが鈍り始めます。そして2010年に大きく下げ、いったん持ち直したかに見えますが、再び下降線を辿っています。特に2012年におけるニューメディアの落ち込みが目立ちます。

世間では随分前から「CDが売れなくなってきた」と言われていますが、独自の商品ラインナップや個性的なPOP展開で、大手レコードショップとは違った販売戦略を取っているヴィレッジヴァンガードにしても、やはり需要そのものの減少には歯止めがかからないようです。

DVDなどの映像ソフト市場全体の売り上げも2003年をピークに減少していますが(一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)、CDもDVDもデータをパッケージして別のハードで再生するという非常に効率の悪い媒体のため、ダウンロードやストリーミングが主流になりつつある状況を止めることはできません。

つまり、もはや「ニューメディア」は過去の遺産であり、いつまでも売り続けるには限界が見えてきているということです。

それに比べると書籍の落ち込みはゆるやかです。これは「本」という性質が、デバイスとソフトを兼任しているために、買ったら直ぐ読める即時性や、電源や他のハードを必要としないスタンドアローン性を持っているからです。これから徐々に電子書籍に移行していくとしても、紙の本が完全に無くなることは当分ないでしょう。

世の中にある全ての映像と音楽が好きなときに楽しめて、どのコンテンツが何回再生されたのか、自分が再生したコンテンツを同じように楽しんだユーザーは他に何を観たり聴いたりしているのか、Facebookのソーシャルグラフのようにコンテンツ同士のつながりが可視化され、Amazonのようにレコメンド機能があり、世界中の人がタグ付けや他言語を翻訳して字幕を付けることができる機能がついたサービスがあれば、みんな月額費用払ってでも使うと思うんですけどね。再生回数に応じてコンテンツの権利持っているところに配当を出す形で。

大人の事情が解決して便利な世の中になってくれることを期待します。

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