font-variant-numeric:数値に関する文字表記を制御する

初期値 normal
適用対象 全ての要素、::first-letterおよび::first-line
継承 する
アニメーション 離散値
対応ブラウザ caniuseで確認

font-variant-numericプロパティの説明

CSSのfont-variant-numericプロパティは、数値に関する文字表記を制御します。例えば、アルファベットのOと数字の0を区別するためにスラッシュつきのゼロにしたり、分数の表記をスラッシュ区切りから水平線で上下に数字を積み重ねる表記に変更できます。

実際に表示される形式は指定されたフォントに依存します。font-variant-numericが正しく指定されていても、その表記に対応していないフォントでは通常通りの形式で表示されます。

font-variant-numericに指定できる値

normal
形式の変更を無効にします。これが初期値です。
ordinal
序数標識を特別な記号で表示します。英語では1st、2nd、3rdにあたるものです。OpenTypeのordnに対応します。
slashed-zero
数字のゼロにスラッシュ付きの字体を使用します。アルファベットのOと数字の0を区別したい場合に有効です。OpenTypeのzeroに対応します。
<numeric-figure-values>
数字の形状を制御する値です。これには以下のキーワードが用意されています。
  • lining-nums:全ての数字をベースラインに揃えて表記します。OpenTypeのlnumに対応します。
  • oldstyle-nums:いくつかの数字をベースラインより下げて表記します。OpenTypeのonumに対応します。
<numeric-spacing-values>
数字の大きさを制御する値です。これには以下のキーワードが用意されています。
  • proportional-nums:数字によって大きさが変わる表記を有効にします。OpenTypeのpnumに対応します。
  • tabular-nums:数字を全て同じ大きさで表記します。OpenTypeのtnumに対応します。
<numeric-fraction-values>
分数の表示を制御する値です。これには以下のキーワードが用意されています。
  • diagonal-fractions:分子と分母を小さく表示し、スラッシュ区切りの表記を有効にします。OpenTypeのfracに対応します。
  • stacked-fractions:分子と分母を小さく表示し、水平線で上下に分けた表記を有効にします。OpenTypeのafrcに対応します。

font-variant-numericの使い方とサンプルコード

font-variant-numericプロパティの構文は以下の通りです。


/* キーワード値 */
font-variant-numeric: normal;
font-variant-numeric: ordinal;
font-variant-numeric: slashed-zero;

/* <numeric-figure-values> */
font-variant-numeric: lining-nums;
font-variant-numeric: oldstyle-nums;

/* <numeric-spacing-values> */
font-variant-numeric: proportional-nums;
font-variant-numeric: tabular-nums;

/* <numeric-fraction-values> */
font-variant-numeric: diagonal-fractions;
font-variant-numeric: stacked-fractions;

/* 複数の指定 */
font-variant-numeric: slashed-zero stacked-fractions;

/* グローバル値 */
font-variant-numeric: inherit;
font-variant-numeric: initial;
font-variant-numeric: revert;
font-variant-numeric: unset;

font-variant-numericの実例

それでは実際にfont-variant-numericプロパティの書き方を見ていきましょう。以下の例は、数字のゼロをスラッシュ付きの字体で表すかどうかを比較したものです。


<section class="samp_box">
	<h2>font-variant-numeric</h2>
	<p class="fvn_norm">Zero 0 / normal</p>
	<p class="fvn_slas">Zero 0 / slashed-zero</p>
</section>

.samp_box {
	overflow: auto;
	width: 100%;
	margin-top: 1rem;
	padding: 0 1rem 1rem;
	background: #eee;
}
.samp_box h2 {
	margin: 1rem 0 0;
	font-size: 1rem;
}
.samp_box p {
	margin: 1rem 0 0;
	padding: .3rem;
	background: #fff;
}
.fvn_norm {
	font-variant-numeric: normal;
}
.fvn_slas {
	font-variant-numeric: slashed-zero;
}

分数はマークアップの時点でスラッシュ区切りの数字で記述しますが、画面に表示される形式をスラッシュ区切りにするか、水平線で上下に重ねて表示するのかを選べます。以下の例は、それを比較したものです。基本的に上下で区切る表記は、二桁以上の数字に対応していないようです。


<section class="samp_box">
	<h2>font-variant-numeric</h2>
	<p class="fvn_diag">1/3 2/5 7/8 13/15 diagonal-fractions</p>
	<p class="fvn_stac">1/3 2/5 7/8 13/15 stacked-fractions</p>
</section>

.samp_box {
	overflow: auto;
	width: 100%;
	margin-top: 1rem;
	padding: 0 1rem 1rem;
	background: #eee;
}
.samp_box h2 {
	margin: 1rem 0 0;
	font-size: 1rem;
}
.samp_box p {
	margin: 1rem 0 0;
	padding: .3rem;
	background: #fff;
}
.fvn_diag {
	font-variant-numeric: diagonal-fractions;
}
.fvn_stac {
	font-variant-numeric: stacked-fractions;
}

font-variant-numericに関連するCSSプロパティ

フォント・文字色
color 文字の色を指定する
font フォントに関する様々な機能を一括で指定する
font-family 文字フォントの種類を指定する
font-feature-settings OpenTypeフォントの拡張書体の特性を制御する
font-kerning フォントの文字詰め(カーニング)を制御する
font-language-override 文字を表示する祭に使用する言語情報を一時的に変更する
font-size 文字フォントの大きさを指定する
font-size-adjust 現在のフォントサイズを基準に小文字の大きさを相対的に調整する
font-stretch 表示させるフォントの幅広や幅狭のフェイスを指定する
font-style フォントを筆記体や斜体で表示するかどうかを指定する
font-synthesis 太字や斜体に対応していないフォントの加工を制御する
font-variant フォントの表示形式やブラウザの合成規則を一括で指定する
font-variant-alternates 文字フォントの代替字体(グリフ)の選定を制御する
font-variant-caps 文字列に適用されるキャピタライゼーションルールを制御する
font-variant-east-asian 東アジアの言語で使われる字体を制御する
font-variant-ligatures 隣り合った文字フォントの合字(リガチャ)を制御する
font-variant-numeric 数値に関する文字表記を制御する
font-variant-position 上付き文字や下付き文字として配置されるべき字体の使用を制御する
font-weight 文字フォントの太さを指定する