font-variant-ligatures:隣り合った文字フォントの合字(リガチャ)を制御する

初期値 normal
適用対象 全ての要素、::first-letterおよび::first-line
継承 する
アニメーション 離散値
対応ブラウザ caniuseで確認

font-variant-ligaturesプロパティの説明

CSSのfont-variant-ligaturesプロパティは、隣り合った文字フォントの合字(リガチャ)を制御します。合字が行われるかどうかの規則は、フォントや言語によって決まります。

例えば、小文字のijが単語の中に含まれる場合に、点を打つかどうかの判断は言語によって異なります。リガチャを行う場合は点が付かない文字を表示させますが、この時に表示される文字は通常の字形とは別の字形になるのです。

font-variant-ligaturesに指定できる値

normal
指定された言語やフォント、書式の種類に応じて通常の合字や文脈書式を表示します。これが初期値です。
none
全ての合字や文脈書式を無効にします。
<common-lig-values>
常用の合字や文脈書式を有効にします。OpenTypeのligaおよびcligに対応します。この値には以下の種類があります。
  • common-ligatures:英文の"fi"、"ffi"、"th"などの合字を有効にします
  • no-common-ligatures:英文の"fi"、"ffi"、"th"などの合字を無効にします
<discretionary-lig-values>
フォントのデザインに依存します。これはOpenTypeのdligに相当します。
  • discretionary-ligatures:該当する合字を有効にします
  • no-discretionary-ligatures:該当する合字を無効にします
<historical-lig-values>
古い書物に見られる合字を有効にします。OpenTypeのhligに対応します。
  • historical-ligatures:該当する合字を有効にします
  • no-historical-ligatures:該当する合字を無効にします
<contextual-alt-values>
文脈に合わせて字形を制御します。OpenTypeのcaltに対応します。
  • contextual:文脈的な字形の変更を有効にします
  • no-contextual:文脈的な字形の変更を無効にします

font-variant-ligaturesの使い方とサンプルコード

font-variant-ligaturesプロパティの構文は以下の通りです。


/* キーワード値 */
font-variant-ligatures: normal;
font-variant-ligatures: none;

/* <common-lig-values> */
font-variant-ligatures: common-ligatures;
font-variant-ligatures: no-common-ligatures;

/* <discretionary-lig-values> */
font-variant-ligatures: discretionary-ligatures;
font-variant-ligatures: no-discretionary-ligatures;

/* <historical-lig-values> */
font-variant-ligatures: historical-ligatures;
font-variant-ligatures: no-historical-ligatures;

/* <contextual-alt-values> */
font-variant-ligatures: contextual;
font-variant-ligatures: no-contextual;

/* グローバル値 */
font-variant-ligatures: inherit;
font-variant-ligatures: initial;
font-variant-ligatures: revert;
font-variant-ligatures: revert-layer;
font-variant-ligatures: unset;

font-variant-ligaturesの実例

それでは実際にfont-variant-ligaturesプロパティの書き方を見ていきましょう。以下の例は、英文のテキストに個別のリガチャのルールを適用した時の比較です。これらの変化は主にドキュメントの言語やフォントの指定によって現れます。

font-variant-ligaturesに関連するCSSプロパティ

フォント・文字色
color 文字の色を指定する
font フォントに関する様々な機能を一括で指定する
font-family 文字フォントの種類を指定する
font-feature-settings OpenTypeフォントの拡張書体の特性を制御する
font-kerning フォントの文字詰め(カーニング)を制御する
font-language-override 文字を表示する祭に使用する言語情報を一時的に変更する
font-size 文字フォントの大きさを指定する
font-size-adjust 現在のフォントサイズを基準に小文字の大きさを相対的に調整する
font-stretch 表示させるフォントの幅広や幅狭のフェイスを指定する
font-style フォントを筆記体や斜体で表示するかどうかを指定する
font-synthesis 太字や斜体に対応していないフォントの加工を制御する
font-variant フォントの表示形式やブラウザの合成規則を一括で指定する
font-variant-alternates 文字フォントの代替字体(グリフ)の選定を制御する
font-variant-caps 文字列に適用されるキャピタライゼーションルールを制御する
font-variant-east-asian 東アジアの言語で使われる字体を制御する
font-variant-ligatures 隣り合った文字フォントの合字(リガチャ)を制御する
font-variant-numeric 数値に関する文字表記を制御する
font-variant-position 上付き文字や下付き文字として配置されるべき字体の使用を制御する
font-weight 文字フォントの太さを指定する