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これはSFか、経済小説か『顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い』さかき漣・三橋貴明/書評
人が求める自由とは、斯くも苦しいものである。 本書は、教養小説シリーズで人気を博した三橋貴明・さかき漣のコンビが送る、今までとは全く違うアプローチで書かれた経済小説。 前三部作は、時間軸を過去に置いて史実とフィクシ 》続きを読む
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異文化交流がもたらすもの『希臘から来たソフィア』三橋貴明・さかき漣/書評
人が自己を意識できるのは他人が存在するからだ。それでは、私たちはどんな時に「日本人」であることを意識するだろうか? 本書は、経済評論家の三橋貴明と、作家・さかき漣との共作で、政治経済を題材とした「教養小説」の第三弾と 》続きを読む
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あの政権交代を忘れるな『真冬の向日葵 – 新米記者が見つめたメディアと人間の罪』三橋貴明・さかき漣/書評
2009年9月、戦後最大の議席数を獲得し、比例区において日本の選挙史上最多の得票数を記録した民主党の「政権交代」を覚えているだろうか。 本書は、日本中が注目した選挙劇の最中に行われたマスメディアの情報操作を題材にして 》続きを読む
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文章を書くことについて悩んでいる全ての人へ『秘伝 プロ編集者による文章上達〈秘伝〉スクール』村松恒平/書評
文章を書く人が悩んだ時に突破口を開くための秘伝書。ただし、ここに「答え」を求めて読んではいけない。 この本は、雑誌編集者やライターなどの文章に関わる仕事に長年携わってきた村松恒平氏が、文章上達を願う人に向けてプロの文 》続きを読む
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これは単なるエピソード1に過ぎない『[映]アムリタ』野崎まど/書評
この小説を読み始めたら最後、あなたは巨大な世界へ引きずり込まれることになる。いったい何の? 「野崎まどワールド」の、である。 『[映]アムリタ』は、2009年に電撃小説大賞の一部門として新設された「メディアワークス文庫 》続きを読む
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桜舞う季節の裏庭で『コレキヨの恋文 ― 新米女性首相が高橋是清に国民経済を学んだら』三橋貴明・さかき漣/書評
GDPとは何か――この質問に回答することができなかった経済学の入門者も、それを十分に理解している識者にとっても、最高に「感動できる」政治・経済エンタメ小説。 本書は、経済系の本に書かれる内容を物語の形式で語っているた 》続きを読む
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米原万里にしか書けなかった傑作『オリガ・モリソヴナの反語法』書評
これほど教養に満ちた小説がどれくらいあるのだろうか。 著者の米原万里は、ロシア語の通訳者として第一線で活躍したことで知られ、海外での豊富な経験を活かして多くのエッセイを残している。私はこの作品を読むまで、通訳を生業と 》続きを読む