ウェブランサー

書評『顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い』さかき漣・三橋貴明 このエントリーのはてなブックマーク数

顔のない独裁者
顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い

顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い

著者
さかき漣
監修
三橋貴明
出版社
PHP研究所
初版
2013/11/13

 人が求める自由とは、斯くも苦しいものである。

 本書は、教養小説シリーズで人気を博した三橋貴明・さかき漣のコンビが送る、今までとは全く違うアプローチで書かれた経済小説。

 前三部作は、時間軸を過去に置いて史実とフィクションを織り交ぜながら、読後は未来に希望を抱けるようなエンターテインメント小説であった。しかし今回は違う。本作は時間軸を近未来に置き、完全にフィクションの世界でありながらも、後味は圧倒的に「リアル」だ。前作と何がそこまで違うのか、その特徴をもう少し具体的に説明しよう。

続きを読む

書評『里山資本主義 ― 日本経済は「安心の原理」で動く』藻谷浩介・NHK広島取材班 このエントリーのはてなブックマーク数

里山資本主義
里山資本主義 ― 日本経済は「安心の原理」で動く

里山資本主義 ― 日本経済は「安心の原理」で動く

著者
藻谷浩介・NHK広島取材班
出版社
角川oneテーマ21
初版
2013/7/10

 本質は「革命的に」転換される。人の「世」も「心」も同じように。

 本書は、マネー資本主義の流れによって「経済の常識」に捉われてしまった現代人に向けて、その集団幻想から目を覚ますように訴えかける一冊。もしあなたが、今の生活に疑問を感じていたり、将来の生活に不安を抱えているとしたら、今こそこの本を手にとって「別の選択肢」に思いを巡らせてみて欲しい。

 この「里山資本主義」は、NHK広島放送局がプロデュースしたドキュメンタリー番組を下敷きにしている。そのため、著者は藻谷浩介とNHK広島取材班の共著になっているが、ここでは著者=藻谷浩介氏とする。

続きを読む

圧倒的に読みやすい「新訳」でもう一度読み直す『ソクラテスの弁明』プラトン(著)書評 このエントリーのはてなブックマーク数

ソクラテスの肖像
ソクラテスの弁明

ソクラテスの弁明

著者
プラトン
翻訳
藤田大雪
出版社
叢書ムーセイオン刊行会
初版
2013/3/3(Kindle版)

 圧倒的に読みやすい「新訳」でもう一度読み直す『ソクラテスの弁明』。

 この本の原文は、紀元前三九九年に起こった出来事を元にプラトンが記した物である。ソクラテスは語る人であったから、生涯で著書を残していない。従って、彼の思想が伺えるのは、全て弟子たちの手によって書き残された記録によるものである。

 中でも、この『ソクラテスの弁明』は、彼に関する記録の中で最も有名なものの一つで、タイトルだけなら誰しも一度は聞いたことがあるはずだ。哲学に関心を持たない人でも、学生の時に一度は目に触れた記憶をお持ちではないだろうか。本書は、正にそんな人にこそ手にとって欲しい一冊。

 この本の特徴として、まず初めにイントロダクションが用意されている。この話の経緯や時代背景、裁判のルールや現場の状況が、イラストや写真を用いて分かりやすく説明される。ここで古代ギリシアを舞台とした本書を読み始めるにあたって、必要な前提知識を準備することができるようになっている。

 そして、『ソクラテスの弁明』が始まる。

続きを読む
SNSをフォロー
カテゴリー
タグで絞り込む
アーカイブ
ソーシャルブックマーク
リンク