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2023年の医療に向けた究極の目標。カイオム・バイオサイエンスの目指す未来

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カイオム・バイオサイエンス

2012年10月、iPS細胞に関する新たな発見により、山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受けたことで、日本のバイオ業界は活気付きました。

このような新しいバイオの分野は、将来的に今まで治すことが難しかった病気の治療に役立つことになります。世界的に見ても人の寿命は延び続けており(文部科学省白書)、それによって高齢者が増えることから、今後ますます科学医療技術が重要になってくるものと思われます。

そんな中、抗体遺伝子において世界初の試みに挑んでいる企業があります。それが、カイオム・バイオサイエンスです。現在、実験の最終段階に差し掛かっており、もしこの技術が完成すれば「究極の医療」が実現するかもしれないとのことで注目されています。

カイオム・バイオサイエンスとは

2005年2月、「ADLibシステム」の実用化を目的として株式会社カイオム・バイオサイエンスを設立。同年4月、ADLibシステムの実用化を目的として理研と共同研究契約を締結し、研究活動を開始。2011年12月、東京証券取引所マザーズに上場しています。

カイオムが目指すものは、「究極のオーダーメイド医療の実現」です。個々の患者に最適な抗体を迅速に作り出す技術によって、癌も新興感染症も治してしまう未来を目標にしています。

ADLibシステムとは

ADLibシステムは「世界初の遺伝子組換え促進による画期的な迅速抗体作製技術」と呼ばれ、分かりやすく言うと「試験管の中で様々な抗体が作れる画期的な仕組み」ということになります。この技術の特徴は、DNA組み換えと増殖を繰り返して、様々な抗体を持つ細胞ライブラリーを自動的に生成できることです。

これによって、試験体にワクチンを打って抗体ができるのを待つという従来の方法で発生していた時間やコストを大幅に改善することができます。

従来、任意の抗原に対する抗体の作製は3カ月~半年程度必要でしたが、1週間程度まで短縮することが可能となります。そして、動物個体を免疫する必要がないため、これまで困難であった毒素・病原体・自己抗原などに対する特異抗体を作製することも可能になります。

インフルエンザなどのワクチンは、無毒化した病原菌を体内に入れて抗体をつくる「予防」のための医薬ですが、抗体医薬はすでに発症した患者の「治療」に役立てることができます。

ADLibシステムの抗体を作る手順が面白い

1.釣り堀を作る

ADLibシステム01

DT40細胞(ニワトリ由来の培養細胞株)にTSA(トリコスタチンA)を添加して培養すると、遺伝子の相同組換えが活性化し、様々な遺伝子配列を持つDT40細胞が自律的に増殖します。その結果、多種多様な細胞集団がライブラリに作り出されます。この現象をカイオムでは、「釣り堀を作る」と表現しています。

2.魚釣りの仕掛けを用意する

ADLibシステム02

抗原(ターゲット)を磁気ビーズ(鉄の微粒子)に固着させ、ターゲットだけに反応する抗体を釣り上げるための「しかけ」を作製します。

3.獲物を釣り上げる

ADLibシステム03

磁気ビーズに固着させたターゲットを、釣り堀(ライブラリ)に投入して、ターゲットとなる抗原にだけ反応する特異的抗体産生細胞が抗原に付着するのを待ちます。約30分で反応があるので、「抗体産生細胞」が付着した磁気ビーズを磁石で釣り上げます。

4.釣った魚を繁殖させて卵を収穫する

ADLibシステム04

釣り上げた抗原に特異的に反応する抗体を産生するDT40細胞を培養液の中で1週間程度培養します。この間に培養液の中では細胞が増殖するだけでなく、同時に抗体を分泌します。その後、培養液だけを取り出して、産生された抗体を分離して取得します。

5.ヒト型の抗体に変換して作業終了

ADLibシステム05

取得した抗体はニワトリ型の抗体であるため、ヒト型の抗体に変換する作業を行います。ヒト型化された抗体が医薬品候補となります。

ADLibシステム06

完全ヒトADLibシステムが完成すると

完全ヒトADLibシステムが完成し実用化されると、従来のワクチンが通用しない強力なウイルスが発生した場合に、短時間で感染症の拡大を防ぐことができるようになります。また、特異的な抗原に対して適切な抗体を迅速に提供することが可能になるため、例えば「癌患者から細胞を摘出し、最適な抗体を迅速に作製・選択する」といった「究極のオーダーメイド医療」の実現が期待されます。

そして、このモデルが実現すると世界初の偉業となり、世界的に注目されることになると思われます。現在、抗体医薬品の市場規模は急成長しており、バイオの分野は、私たちの健康だけでなく、日本の未来にとってもとても重要です。このような「明るいニュース」を届けてくれる企業には是非がんばって欲しいと思います。

カイオムが目指す未来

2014年:完全ヒトADLibシステムの完成

トリ抗体の遺伝子配列をヒト抗体の遺伝子配列に置換する事によって、直接ヒト抗体を作製することが可能となる技術の確立。

2018年:パンデミック感染症対応

ンデミック感染症が発生した場合に、公的機関の要請を受け、抗体を迅速にかつ大量に提供する事業を確立し、ワクチンを完全に代用する。

2023年:究極のオーダーメイド医療の実現

治療法が確立されていない個別疾患や、広域に流行する新興感染症など、人類にとって大きな脅威となる事象に対応する。

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